for a Departed Soulペットの供養について

日本人の多くは、亡くなったときにお寺のお墓に埋葬されます。
そして仏教の多くは、人間と動物を一緒のお墓に入ることをよしとしていません。
亡くなったペットが安らかに眠れるように、ベストな方法とはなんでしょう。
死後の世界はあるのでしょうか。生まれ変わりはあるのでしょうか。
ペットを家族として大切に思うほど、わからなくなってしまうこともあるかもしれません。
かわいそうな扱いにならないように、一般的なお弔い方法が知りたい方もいるでしょう。
このページは、どうお弔いするのかがわからないとき、
考えすぎて迷ってしまったときに参考にしていただければと思います。


最終的な「供養」とは?

一般的には6つの方法があります。

1.ペット専用の墓地を購入して、人間と同じようにお墓に埋葬する
2.ペット専用の納骨堂を年間契約して、お参りに通う
3.ペット供養可のお寺や施設に合同納骨(合祀)する
4.パウダー状に粉骨してもらい、庭や海に散骨する
5.1~4のとき一部のお骨を手元に残し、自宅で手元供養する
6.お骨を骨壺ごと自宅に保管し、手元供養する

では、一番正しい供養の方法とはなんでしょう?

供養でいちばん大切なことは、安らかに眠ってほしいと願う気持ち。 その子のためにどうするのがいいか一生懸命考えてくれたことを 嬉しく思わないペットはいないでしょう。 どうしていいかわからないときは、心が落ち着くまでの間 自宅でお弔いするのもよいでしょう。

手元供養のすすめ

1.自宅に小さなスペースを作って祭壇を作りましょう
2.元気なころの楽しかった思い出の写真を飾りましょう
3.フードやお水、お花をお供えしたりお線香を焚いて語りかけましょう

当サイトでは遺骨砂時計とフェルト人形を販売していますが、 インターネットで検索すると、ミニ仏壇をはじめ 写真を使ったグッズや、お骨を少量入れるアクセサリーなどさまざまな メモリアルグッズが販売されています。

霊園で働いていたとき、ご遺族様からよく「この先のこと」について質問されました。 いつもお答えしていたのが「供養はお気持ちなので、間違った供養というのはありません」ということです。 「一般的な」「多くの方が選ばれる方法」は、お骨を収めた骨壺をご自宅に持ち帰って供養する方法です。 ご火葬時はご遺族様がいちばん動揺され悲しまれるので、この先の供養のことまで考える気持ちの余裕がありません。 後悔しないように、心が落ち着いてから先のことを考えればよいのです。

「分骨」すると成仏できない?

分骨には古い歴史があります

分骨とは、亡くなったペットのお骨の一部を複数の人に分けることです。 仏教の宗派によっては、分骨が慣例となっていることもあるくらい古くから行われてきました。 お釈迦様のお骨もいろいろなお寺に祀られていますので、人間の分骨もなんの問題もないのです。 もちろん、家族の一員であるペットの場合も分骨することで悪いことが起こるようなことはありませんのでご安心ください。 とはいえ個人個人で考えは千差万別です。分骨に対して嫌悪感があったり、不安な気持ちのまま分骨することはおすすめしません。 後悔しないようにじっくり考えてから行動しましょう。

どんな人に分骨する?

通常の場合、亡くなったペットと一緒に過ごした家族や 一緒に過ごしていた時期のある人に分骨することが多いです。 ペットどうしで仲良しだったオーナー様や兄弟、姉妹ペットのオーナー様に分骨されることもありますが、 いずれの場合でも「欲しい」とお願いされた場合のみにとどめ、やみくもにお渡しするのはやめておきましょう。

分骨後の供養の一例

手元供養の一例をご紹介します。
・ミニ骨壺
・遺骨収納カプセル
・遺骨収納アクセサリー
砂時計、トンボ玉
・遺骨ダイヤモンド
分骨時の状態のまま小さな骨壺に納めたりパウダー状に粉骨したり。 高額ですがダイヤモンドにもできます。 なくしたり壊れたりしないようにしっかりとした造りのものに入れて大切に保管しましょう。 劣化しづらい素材であることも重要です。

分骨を反対する方もいらっしゃいますし、「供養は気持ちである」ことを鑑みると否定することはできません。 ただ、大多数の日本人が仏教にのっとってお墓に入ること、その仏教において分骨は古くから行われていたことも事実です。 それらを自分の気持ちの中で整理し、折り合いをつけて、分骨するかどうかを決めましょう。 収骨(火葬が終わって骨壺に納める前)のときにご遺族に「分骨されますか?」とおうかがいすると、ほとんどの方がその場で分骨して持ち帰られます。 ペットの分骨に関してもごく普通のこととして行われています。

「ペット終活」をしよう

考えたくないけれど…

今元気なペットも、人間の4倍のスピードで歳を取り、いずれお別れのときがやってきます。 何もかも決めておく必要はありませんが「縁起でもない」と何も準備をしていないとあとから後悔することがあります。 いちどご家族で話し合ってみてください。
1.火葬を依頼する施設をどこにするか
2.お葬式をするかどうか
3.ご遺骨をどうしたいか
事前にいくつかの施設に見学に行くとよいでしょう。 かかりつけの動物病院に相談すると、提携施設を紹介してもらえたりしますよ。

移動火葬車も悪くない

無責任な業者が遺体を不法投棄するなど 不祥事が起きたときばかり話題になりがちな移動火葬車によるペット火葬ですが…
実際には自分でもペットをかわいがっている動物好きな業者さんがほとんどです。 家までお迎えに来てくれるので、最後に過ごす時間を大切にできます。 ご火葬してお骨になるまでは、あとわずか。少しでも長く一緒にいたい方におすすめです。

ペット終活いろいろ

・定期的な健康診断とケア
・写真はすべて思い出になる
・毛やヒゲを残しておく
・骨壺を購入しておく

色々ありますが、まずは「1日でも長生きしてくれるよう努力する」ペット終活の第一歩はこれだと思います。 長生きできるように、年齢に合ったフードやケアグッズを選んであげましょう。

個人的にですが、用意しておいたほうがよいのは「骨壺」です。 白磁のシンプルなものでよければ火葬時に料金に含まれていますので問題ないですが、 かわいい形のものに入れてあげたいな…と思われる場合には事前に用意しておきましょう。 亡くなってから購入するとお骨の入れ替えをする必要が出てきてしまいます。 事前に火葬施設に持ち込みを相談し、了承を得ておきましょう。 もしダメと言われたら…その施設はあまり良い施設ではないかもしれません。

「ペット終活」はペットが元気なときにしておくと失敗や後悔が少ないです。 何も準備も心構えもしていなくて、あわてて火葬の手配をしてバタバタしている間にすべてが終わってしまい、後悔してペットロスになってしまうケースも。 各々の気持ちを聞いてみる程度でいいと思いますので、家族でいちど話し合っておきましょう。 上記でおすすめしている骨壺ですが、ネット検索するとかわいい形のものやオーダー製品などがたくさん見つかると思います。 同じデザインでもサイズがいろいろあると思います。 骨壺のサイズ=頭のサイズで決まります。取扱ショップに相談してサイズを確認してから購入しましょう。

良い施設の見分け方

まずは気軽に見学に行ってみよう

火葬炉や斎場、納骨堂などのある施設はお参りのためにオープンなところが多く、 事前に電話でお願いすれば案内してもらうこともできます。 施設の雰囲気もいろいろなので、行って見て確認してみるのが一番です。
・明るさや清潔さ
・適度な人の往来
・スタッフの対応
個人情報の提供を無理強いしたり強引な生前予約をさせようとする施設は、経営がピンチかもしれません。

移動火葬車を見学したい

家まで来てくれる移動火葬業者さんは会社組織よりも個人経営のところが多いのが実情です。 対応エリア内の個人宅にフットワーク軽く車で移動しています。 業務形態からも、プライバシーの観点からも事前見学は難しいと思います。 それでも業者さんによってプランを工夫されていたり料金もそれぞれ違いますので、 電話で問い合わせして対応を確認するとそれだけでも良し悪しがわかると思います。 電話が確実につながるかどうかというのはとても重要です。 何度電話しても誰も出ない、廃業したけどホームページだけ残っていた…なんてことも実際あります。

ここで豆知識。固定施設と違い、相談すると柔軟に対応してくれることもある移動火葬では 一戸建てなら敷地内で火葬してもらえる場合もあります。(立地や環境などによりできない場合もあります) 遠方に住んでいる家族がいる、お父さんの帰りを待ちたい、など最後のお別れを家族全員がしたいときは どうしても希望時間が夜になってしまう場合もありますよね。 固定施設だと営業時間外の火葬には対応してもらえませんが、自宅に来てもらう移動火葬なら 少々遅い時間でも対応してくれるかもしれません。 お寺や霊園と提携していて合同納骨を受け付けてくれるところもあります。

倒産や廃業のリスク

なんらかの理由で施設がなくなってしまったら… お墓や納骨堂に納めたお骨はどうなるのでしょう。 ペット霊園もひとつの企業なので、経営がなりたたなくなってしまうと当然倒産し、施設も閉鎖されてしまいます。 そして利用者は施設がなくなったあとにはじめて知るケースがほとんどです。 良心的な施設なら、付近のペット霊園へ引継ぎをしてくれるかもしれませんが、そんな保証はどこにもありません。 敷地にそのまま遺棄されるケースもあるようです。土地建物が手放されてしまっていれば、敷地に取り戻しに入ることもできません。 そこで事前に見学しておくことが重要になってきます。自分の目でしっかりと見極めましょう。

「良いペット霊園かどうか」は「自分と相性の良い施設かどうか」でもあると思います。 たとえば納骨堂を利用して気軽にお参りに行きたいと考える方は、あまり遠くの施設だと不便で疲れてしまいます。 由緒あるお寺に併設されたペット霊園なら、お参りに出かけるとちょっとした観光気分にもなれます。 変わったところだと元結婚式場だった教会だったり、敷地が広い施設にはカフェやドッグランが併設されていたり。 ネットの情報もありますが、ペットが元気なうちに気軽に見学して自分の目で確かめるのが一番です。

悲しみから立ち直れない…

ペットロスって何?

ペットが亡くなったとき、別れや死に対して悲しんだり、苦しんだりする反応を「ペットロス」といいます。
・涙が出る
・食欲不振、過食
・不眠
・吐き気
・頭痛、めまい
・全身の倦怠感
人によってさまざまな症状が現れますが、通常の場合、自然に快方に向かいます。

ペットロスは病気なの?

ペットは大切な家族の一員。 そんな大事な子が亡くなってしまうのですから、深い悲しみにおそわれるのは自然なことで、病気などではありません。 ですが、重症化してしまうと何年も立ち直れず、日常生活に支障をきたす場合もあります。 「ペットが死んだからって会社を休むの?」「人間とは違うんだから子供が死んだような表現はやめて」など、 周囲の理解がない環境にいることで重症化してしまうこともあります。 また、一人暮らしであまり社会と関わっていない人はペットへの依存度が高くなりがちで、失ったときの喪失感は大きいでしょう。

抜け出すための早道は…

ペットロスは、ペットへの深い愛情の証。 でも、ずっと悲しんでばかりいたら亡くなったペットはどう思うでしょう? あなたのそんな姿を見て喜ぶでしょうか? その子は、あなたの笑顔が好きだったのではないでしょうか。 想ってくれるのは嬉しいけれど、ずっと泣いているより、前を向いて欲しいと思っているのではないでしょうか。 でも、わかっていても、重いペットロスになってしまったら…そこから抜け出す方法はあるのでしょうか? それは…

「新しく家族を迎えること」

なのかもしれません。 亡くなった子に申し訳ないと思ったり、もう2度とこんな悲しい思いをしたくないと躊躇される方もいるでしょう。 ほんの少し悲しみが癒えてきたら、保護施設で里親さんを待っている子たちに会ってみてはいかがですか? 思いがけず素敵な出会いがあるかもしれません。

「ペットロス」は病気ではなく、ペットを大切に思っていれば必ず経験することですが、 ペットへの依存度が高かったり、周囲の人が悲しみに理解を示してくれない、お弔いに後悔しているなどの理由で何年も苦しみ続けてしまうこともあります。 ほんの少し前を向いて、周囲に目を向けてみましょう。あなたを必要としている子がどこかにいるかもしれません。 新しくペットをお迎えすることは、ひとつの命に責任をもって大切に育てていくことです。 そしてペットたちは、与えてもらった愛情に精一杯こたえてくれます。

ご火葬から収骨まで

急ぎすぎないで!自宅でできるご遺体安置

心理的にやむを得ないことですが、慌てて当日にご火葬しなくても大丈夫。 自宅でも適切に安置すれば夏場でも3日くらいは大丈夫です。

・段ボールなどの空き箱にペットシーツやバスタオルを敷く
・食品用の保冷剤やロックアイスをフェイスタオルで包み、身体の数か所にあてて保冷する。
・保冷剤の効果がなくなる前に取り換えて、常に保冷し続ける。
・暖房器具や陽の当たる場所を避け、夏場はエアコンを切らずになるべく涼しい場所に置く。

亡くなった原因や体の状態にもよりますが、上記の方法で安置していただいた場合は、体液が外に流れ出すようなことはほとんどありません。 密閉された室内なら虫がわいたりすることもありません。 最期のお別れなので、1晩くらいはご一緒に過ごされても問題ありません。

ペットのお葬式

葬儀場など特別な場所を借りてお葬式を行える施設もありますが、まだまだ一般的ではありません。 亡くなってからご火葬の前まで家族が集まり、お花を供えたりお線香を焚いたりして過ごすのが一般的です。 施設によってはご火葬の前にお坊さんがお経をあげてくれるところもありますが、とくに個室を使わず火葬炉の傍で行うことが多いようです。 ご火葬前はあまりゆっくりとお別れをする時間はとれませんので、あっという間に炉に入れられてしまったと感じる方もいらっしゃいます。 お通夜もなく、長い読経のあるお葬式もないため、人間のお葬式に比べるとあまりにもあっけないものです。 そこで家族だけでしっかりとお別れの時間をとることが大切ということになるのです。 後悔のないように、感謝の言葉、おわかれの言葉を伝えてあげましょう。

お骨という姿になる

身体の大きさによってご火葬にかかる時間も違い、1時間半~2時間半くらいと幅があります。 また、ご火葬が終わったからといってすぐに骨壺に納められるわけではありません。 火葬炉は非常に高温になるため、時間をおいて冷ましてからでないとお骨は拾えません。 お骨は高温のままだと砕けやすいため、お骨上げ(お骨を拾って骨壺に納めること)をご家族でやってあげたい場合には 危険がなくなる温度まで待つ必要があります。

最期に頭のお骨を納め、骨壺を骨袋に入れていただいたら帰宅できます。 ご遺体とはいえつい最近まで魂が宿っていた身体です。熱い中がんばって、きれいなお骨になりました。 ご火葬した日の夜は、骨壺のそばにお水をお供えしてあげましょう。 「よくがんばったね、えらかったね」とほめてあげましょう。

ペットが亡くなると動揺される方が多く、ご遺体の安置方法などの予備知識がないと「大変!すぐ火葬しなくちゃ」と慌てて当日に火葬できるところを探して電話をかけまくる方もいらっしゃいます。 上記のように正しく安置すれば、ご自宅でひと晩お別れの時間を過ごすことはまったく問題ありません。 かわいい姿を見たり、ふわふわの毛に触れたりできるのは、あとわずかの時間です。 楽しかった思い出、困ったいたずら、見つめてくる瞳…たくさんの思い出にありがとうと感謝を伝える、そんな時間にできるといいですね。